私たちが生きていて時間の長さを感じることはありますが、人類が文明を築いてきて、その内の半分以上の時間があった日々を、日常的に想像することができません。

古代エジプト展 掘り起こせ、三千年の謎(ブルックリン博物館所蔵)。先日、六本木の森アーツセンターギャラリーへ行ってきました。河江肖剰さんの案内です。東京では明日までです。

3000年間というのは、紀元前3000年頃から紀元前30年にクレオパトラが自殺するまでのことです。現在が2025年なのですが、私は遠すぎる昔をあまり普段考えたり、数度しか展覧会に行ったりしてきませんでした。その頃も同じ人間なので人がどうやって生きていたとかを今考えたり、保存されている美しものを美しいと見たり、パネルの説明を読んだりして新たな視点を得たりです。

穀物を曳くセネヌという女性です。古代エジプトでは、小麦を栽培し、パンを主食にしていました。王朝成立以前から、王の最も重要な務めはナイル川の治水と灌漑の管理でした。ナイル川沿いの地域は、洪水を繰り返しますが、栄養分を含んだ土が洪水で運ばれてきて堆積することを利用した農法です。ナイル川流域は肥沃な土地でした。

ファラオとは古代エジプトの王を表す称号で、政治的・宗教的に最高の権力を有していました。二つの土地の所有者とすべての神殿の最高司祭という称号です。この像の左側に彫られた女性は王の妻カラマと識別でき、左腕にはオソコン王のカルテゥーシュが刻まれているので、息子の王子です。

古代エジプト人の人物像は横向きに書かれているのが定型なのですが、実は横向きを表現しているわけではなく、視覚的な正しさをではなくうまく特徴をとらえたもの、という説明でした。こちらの石は、複雑な巻き髪とロータスの花の紐帯があるかつらが印象的な男性ですが、名前も職業も分かっていないということです。

文章の通りそういうこともあって、職業としては書記官の人気が高かったようです。ただそれも一日中つらい姿勢で、あごや首、肩などの関節痛に悩まされる過酷な仕事ということ。

このジャッカルは聖なる山に伏せているアヌビス神を表しています。アヌビス神は殺されたオシリス神の遺体をミイラにし、エジプトのすべての死体のミイラ化をつかさどりました。動画でミイラの作り方をやっていました。肝臓、肺、胃、腸をミイラを作るとき別のカノプス壺にいれます。また、鼻の穴から細長い棒を入れて脳を掻き出します。死んだ人を腐らない様にするためなので、現代の感覚ではないです。

ピラミッドはエジプト王朝の長い歴史の中で、ほんの一時期作られていただけというのは調べてみて以外でした。古王国時代(3- 6王朝)と中王国時代(11 – 12 王朝)のみです。  /  (全31王朝 + プトレマイオス王朝)。古代エジプトでも、長い歴史の中では頻繁に王朝が変わっています。

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