千花文様に織る一角獣

広く天井が高い部屋を取り囲むように
６つのタピスリーが掛かっています。



・触覚・味覚・嗅覚・聴覚・視覚、と
あと一つが・我が唯一の望み　です。

中世に織られた大きなタピスリーが
綺麗な形で残っている。しかも６点続き
で現代に姿を現している、他に比類
なき美的、（実際にどのように使われて
いたのか）実用の作品です。



６面に登場する貴婦人は、遺言に由来す
るクロード・ル・ヴィストであるのか。
絵の中の紋章から司法官一族である
ル・ヴィスト家のものと考えられています。


味覚

婦人の手(袋)に停まるオウムに侍女が持
つ鉢から砂糖菓子を一粒あげています。
写っているさらに下ではサルがこの身振り
をまねる味覚の寓話もあります。嗅覚で
は、彼女は花輪を編んでいて、こちらの
サルは薔薇の香りを嗅いでいます。


貴婦人と一角獣展
(The Lady and the Unicorn)
国立新美術館
フランス国立クリュニー中世美術館所蔵


機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)


視覚

座っているのはこの視覚だけで、聴覚で
は立ったままオルガンを演奏しています。
森の中に乙女を独り残しておくと、一角
獣は彼女を見るやいなや、その膝に飛び
込んでおとなしくなってしまう
（フェシオロゴス）。
一角獣の前脚は婦人の膝の上で、婦人は
一角獣を撫でています。
右手で持った鏡で一角獣にその鏡像を見
せていて、動物たちもこの視線の戯れに
加わっているように見えます。


一枚だけでも大きなタピスリー。その至
る所の細部や制作まで見て行くともっと
分かるかもしれません。
ｏタピスリーの中に描かれたもの
「一角獣」「動物と植物」「五感」
「貴婦人の服飾」「紋章」



植物の表現は、三次元的な空間表現の一
要素でなく、画面全部を均一に彩る文様
のような装飾的モチーフです。ほぼすべ
ての種類を特定できます。



ｏタピスリーの制作に関わる
「黄金期の1500年頃」


我が唯一の望み

アクセサリーを選んでいるのか、しまお
うとしているのか。青い天幕の布端を獅
子と一角獣が持ち上げています。
その他の５に対して第六感？です。
五感の悦びを超越して自己を制する心、
五感を通じて愛の感受をつかさどる心で、
道徳や宮廷的恋愛を示唆するなど
第六感の様々な解釈があります。



人が生きていて、落ち着いたり、
相手が気にかけていることを感じたり、
望みは見えないものから成り立って
いるのかもしれません。