抒情に描かれる大正美人

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赤い服を着て、読書を中断しながら
少し遠くを見ている秋の日。
層積雲の様な雲が筋状に下の方から
広がっています。

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人の心に染み入るような竹久夢二
抒情は、古き日本の情緒を伝え、
移り変わる時代の最先端を読み取って
いました。

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絵画、デザイン、詩文と広い分野に作品を
残した彼の、港屋絵草紙店の作品を中心に
また数多くの所蔵品の中から他の作品も
展示しています。

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竹久夢二
  乙女のためのデザインワーク
 ~大正のレトロ&かわいいを発見!~

竹久夢二美術館(文京区)で開催しています。

併設の弥生美術館では、村上芳正高畠華宵
展示をしています。

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ブログの画像は、その他にも
竹久夢二伊香保記念館
夢二郷土美術館
所蔵のものからも
もっと知りたい竹久夢二 生涯と作品
小川晶子 東京美術
紹介しています。

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美しいもの、可愛いいもの 不思議なもの、
とりわけ半襟・羽子板・人形・絵双紙
など、夢二が好んで企画・デザインした
商品を直接客に手渡せるブランドショップ
港屋がありました。

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正式に結構した唯一の女性、たまきとの
間に長男虹乃助が誕生した翌年(明治42)、
協議離婚してしまいます。その後も次男
をもうけ大正3年にたまきを店主にして
日本橋に港屋絵草子点を開業しました。

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この店で、19歳の彦乃との出会い、
夢二が京都に移った後を追って
彼女も京都へ来ることになります。

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岡山に生まれ、16歳で家族は福岡に移り
ますが、18歳で家出をして上京します。
翌年早稲田実業に入ります。絵の学校や
小学以来先生について勉強したわけでは
ないので、当時、注目を集めていました
が、画壇等から評価はというか、後の時代
になって代表する日本画家としても再評価
されています。

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夢二の代表作の一つ黒船屋です。
黒と黄を基調に、緑色の帯、薄紅色の袖口、
角に金具のある赤い箱。はっきりとした
色彩の取り合わせが、強烈な存在感とな
っています。菊坂の菊富士ホテルを
住まいとして制作され、モデルはお葉
考えられています。

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竹久夢二美術館はこの菊富士ホテルを再現
しています。元の場所から近い場所に建ってい
ます。北政所が建立した高台寺脇の京都に、
次男の不二彦と彦乃と三人で暮らしていまし
たが、病気になった彦乃は父に東京に連れ
戻され、夢二も彼女がいる病院の近くの
菊不二ホテルに移ります。

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彦乃が亡くなってしまい、沈んでいると
きに出会ったのがお葉です。16歳で夢二
のもとに来たときに、お葉は大名縞の着物
を着ていたということです。絵では黄色く
色づいたプラタナスに囲まれてベンチに
座り、信玄袋を傍らに、木綿縞の古びた
着物で素足に下駄を履き、これからどう
しようと思案しています。

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展示や文献を見ていて、絵画以外のことで
感じるのは、明治維新があって西洋の技術
を取り入れ、発展していって、その後
第二次世界大戦があって、平和憲法もつくり、
焼け野原からキャッチアップして、停滞、
現在は?なので、民主的に昔から少しずつ
歴史がなってきていると考えてる方も多い
のではないかとも思うのですが、この
竹久夢二が活躍した大正ロマンの時代は
デモクラシーの時代で、その後に戦争
の時代が来てしまったということです。
私たちのこれからの時代も、どっちにも
行ってしまう危険も孕んでいると知り、
きちんと考えて行かないといけないです。

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