ソロモンの箴言

千葉から成田空港へ向かう道から、脇
道に少しそれた佐倉で、水際の芝の上
を野鳥が歩いたり自然散策路は人も歩
くことが出来る美術館があります。



レンブラント、モネ、ピカソ、シャガール
など多くの人が知っている画家の作品も
ある一方、かなり違った視点からの展示
で、収蔵品も、企画展もしています。



近くに住む方は、犬の？散歩や食べなが
ら聞こえてくる話から、レストラン
にも頻繁に来ているみたいでした。



フランク・ステラの作品は収蔵品からも
あって、かなり大型で壁からせり出して
いました。横や斜めからも違った視線
からの立体の見せ方がバランスの取れた
ものになっています。





今回の（この）ページは、オーストリアの
エーリヒ・ブラウアーのソロモンの箴言
からです。



日本に住んでいると、彼の資料は神保町
やネットで本を注文になってしまい、画
集などは中を見てからでないと買えない
ですし、郵送料もあるのでなかなか見れ
ないと思います。
#会場にあってもらった作品解説の紙は
白黒で、ここで提示できるカラーの絵
は少なくなっています。



人間の愚かな行いを戒め、人生の知恵を
授けるものとして伝えられてきた旧約聖書
の箴言（しんげん）のことばです。



第一印象としては、目に見えない物から
の魔術師や悪魔ではないですが、気味の
悪さは少し感じたことと、その反面、神
秘的な世界の魅力か、不思議な光景が絵
の中に収まって描かれています。


DIC川村記念美術館

解説では、諷刺やアイロニー、メランコ
リックなユーモア、非ヨーロッパ世界に
由来するエキゾティックな要素、あから
さまな不条理、奇妙な解放感、奔放で濃
厚なエネルギーは、第2次世界大戦後の
ウィーンという都市に生きた画家たちが
生み出した独自の表現だと言えるという
ことです。



また、多くの作品において深く鮮やかな
色彩が用いられ、細密な描写によって夢
想と現実が入り交じったような光景が描
かれます。それらは世界が滅びた後に出
現した"もうひとつの世界"を思わせ、ど
こか沈鬱で、時には不気味でエロティッ
クな雰囲気が漂っているということです。



父親はユダヤ系靴職人で、ブラウアーは
少年期にナチスによるユダヤ人迫害や強
制労働を体験しています。また彼は、
ミュージシャンとして数々のアルバムを
リリースしており、絵画と音楽の両面に
渡る彼の活動は21世紀の今日までたゆみ
なく続いています。



少し不思議で、西洋の人が心の奥底に抱
える時間から、日本の冬の光景の庭を歩き、
それでも心がぽかぽかだと、いいです。