物事をありのまま描写する。
まるで見ている情景、人物を絵の中に
見ているようだと上手な画家と関心する。
そういうこともあります。
Sylvette(売店)
でも、記録写真的な物を人は必ずしも
美しいと感じるか分かりません。美を
追求して行くと、ない色や線、どこか
崩したり、絵としてインスピレーション
を見る者に与えたり、、、
そうやって崩していくことを追求する
と、現実に見える輪郭や形、遠近や色
など一般普通に見えることの全てを崩
す。美しさを追求するために実物その
ものとして全く見えなくてもいいぐら
いに。
私はそういうことを最初にした人が
ピカソだと思います。そうやって創造
して出来た作品から、またその要素を
破壊し、また創造して新たな作品を制
作することを繰り返しました。
でも例えば、ただ分からないオブジェ
や無機質なものを街中や自然風景に置
く、それが現代アートと、一部の人は
思って展示していること、そういうこ
ととは違うでしょう。訳の分からない
のがピカソという見解は全く的を得ま
せん。
現在、美的創作活動をする人は、写実
的でもいいし、奇想天外でもいいし、
そういうことの枠組みを超えて、私た
ちに何かを与えて欲しいと感じます。
今回は、埼玉県立近代美術館
で行われている
ピカソの陶芸
Pablo Picasso・Ceramic Works
-- 地中海にはぐくまれて --
を見てきました。
"ゲルニカ"をはじめ数々の傑作を描き、
20世紀の芸術に大きな足跡を残した
画家、パブロ・ピカソ(1881-1973)。
第二次大戦中はナチス・ドイツ占領下
のパリで制作を続けましたが、終戦後、
陶器製造で知られる南仏の町
ヴァロリスを訪れ、陶芸の魅力にとり
つかれます。
形を作り、絵付けを施す陶芸は、彫刻
と絵画を融合したようなものと言えま
す。皿から壺まで、ピカソは陶芸の丸
みを帯びた形をうまく生かし、そこに
様々な絵画を試み、ユニークな作品を
作り出しています。
人は、昔から、女性のヒップは花瓶の
ような格好をしてる、と言ってきまし
た。これはもう詩的などというもので
はなく、古くさいきまり文句です。
わしは花瓶をもってきて、それで女性
を作ります。
わしは古い比喩を使って、反対の方向
に効果をあげ、それに新しい生命を与
えます。(中略)比喩から現実にもど
すのです。わしが比喩を使ったために、
きみには現実が見えます。
物体の形や感触が与える鍵
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