北極星が見守る都市から

ここの猫や猿に会うのも、思い起こすと
小学校の時から来ていなかったと。
華厳の滝からいろは坂を降ったことは
ありましたが、そういえばずいぶん永い
間だったことは事実かもしれません。

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東北道を北極星が指し示す方向へと来ま
したが、まだ明るい昼間の太陽の下での
移動でした。このところは台風の間の良い
天気でしたが、山の方は小雨が降り寒く、
ジャケットを羽織り歩きました。

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遠くから高くみせるために、十段の石段は
上がるほど一つずつ低くなっています。
森厳な雰囲気に包まれた神域の入り口
を、遠近法を用い鳥居を高く見せています。

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徳川幕府を開いた徳川家康は、日光に小さな
祠を建てて、自分を神として祀ってほしい。
そこで八州の鎮守となって後世を見守る、
という目的の様です。建立当時は小さな
神社でしたが、三代徳川家光が行った、
寛永の大造営、によって立派な現在の
ような形となり、1999年に輪王寺東照宮
二荒山神社の二社一寺は、日光の社寺
としてユネスコの世界遺産登録がなされ
ました。

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陽明門の奥、唐門は本社(内部撮影禁止)を
守る重要な門で、昇竜、降竜の寄せ木細工や
瞬帝朝見の儀の人物の彫刻が多く存在します。
この瞬帝が残した言葉、内外平成、から平成
の年号は付けられたそうです。中央の瞬帝の
顔は家康公にそっくりだと言われています。

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左側の黒塗りの建物が、神輿舎です。中には
3基の神輿が納められています。家康の左が
源頼朝です。左は分かりますか?天井には
日本一の美人天女といわれる天女舞楽の図
が描かれています。

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右側の東回廊潜門の頭の上にはこんなにも
小さい眠り猫の彫刻があります。名工・
左甚五郎の作、牡丹の花咲く下に日の光を
浴びて子猫が転た寝しているところで、
日光を現わす絶妙の奥義を極めています。
猫がのんびり眠っていられるほど平和な
世の中という願いです。

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門の後ろのスズメ(彫刻)は猫が寝ているので
楽しく暮らせるという、平和な時代が訪れた
ことを意味しています。

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猫の下をくぐり、207段の一枚石の石段を登っ
てゆくと奥社です。当初は木造でしたが後に
石造となり、5代綱吉が唐銅製にして現在に
至っています。

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静かな聖域に眠る家康墓所・宝塔です。

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東照宮のお参り、見学の最後が本地堂です。
天井に描かれた龍の真下で手を叩くと龍の
鳴き声がすると言われています。
柏子木を3mぐらい離れて本地堂の方が叩
くと響きませんが、竜の下では鈴のような
鳴き声が聞こえてきます。

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戻る道で、三猿をもう一度見ました。
猿は馬の健康と安全を守るという言い伝え
から神厩舎にある彫刻です。見ざる、言わざる、
聞かざる、は有名だと思います。ここは
8枚の猿で一生が彫られた、その内の1枚が
三猿で、実際には8つの人生のストーリーが
あります。

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ゆばコロッケ、ゆばしゅうまい、ゆば
ウインナー、ゆばサラダなどの、
彩りゆばランチ、をいただきました。
日光伝統の味と技である、湯葉、は
中国伝来で奈良時代以降肉や魚を
食べない修験者や僧侶の間で精進料理と
して広まりました。豆乳を加熱した時に
表面にできる皮膜を引き上げたもので、
タンパク質、カルシウム、鉄、各種
ビタミンを含み畑の肉と呼ばれています

 

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今回の旅では陽明門、一日見ていても
飽きないという別称、日暮の門、が
工事中でした。一部でなく中心の
一つが今回の旅で見れなかったという
ことでしたが、

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陽明門の柱の一本が逆さに立てられ、曰く

及ばざるは過ぎたより勝れり

と家康の遺訓を実戦していて、

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ここに至った、彼の心持ちを感じられた
東照宮への訪問でした。

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