2013年5月アーカイブ

日本人のための科学論

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日本人のための科学論
毛利 衛
(PHPサイエンス・ワールド新書)

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本を発電の項(この本は福島第一原子力
発電所事故の約3ヶ月前に書かれました)
の所で止まらずに読んでいくと、全体と
して「どうやって優秀な科学者の日本人
を産んで増やして行こうか」ということ
が主題であると感じました。
筆者の日本科学未来館館長として、
新しい時代の科学博物館を、これからの
社会に役に立てようと奮闘している
内容のある洞察が随所にみられます。

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日本の科学については、私の感じるところ、
原発事故があり全く防げなく、
科学の「限界」とあちらこちらで
書かれ、かなり傷ついてますし、科学
そのものを原発の反対派からは敵として
見られてもいると思います。

きちんと事故の原因について調べて分析し、
それを基に対策が取られ、原発そのものの
安全と住民の安心が得られて、という納得
ができるまでの作業と可視化、説明など
きちんと求められます。その事実に基づいた
情報と対策を行うのが科学者であり科学であ
って、そこが現在の科学離れというのか、
科学をやっても真理に導かれないと多く
若者が離れていくことになるように思います。

本書に幾度か登場する(科学の)文化という
点を、科学で発展してきた日本でもあり、
もう少し考えてみたいです。もののけ?など
日本人の心に宿る文化が、菅首相は反対で
したが、原発輸出や再開の方針の一方で、
実際にはほとんど稼働していなことの背景
にはあるかもしれません。必死に商売をして
いて、ただ価格転嫁されたら、別の電力供給
元に切り替えますし、再生エネルギーの普及を
頑張っている人もいます。
筆者が言うように自然とのつながりを取り戻
し未来知を獲得していく必要があります。

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