ビールの科学
麦とホップが生み出すおいしさの秘密
渡 淳二 監修
サッポロビール 価値創造フロンティア研究所 編
(講談社ブルーバックス)
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最近は寒い日がやってきて、暑かったのに急に
という感じですが、喉が渇くころ飲んでいる
ビールも生き物相手ということを知りました。
日本で本格的に作られ始めたのは明治からとま
だ日は浅いですが、私たちに身近で昔から飲ま
れているビールの秘密を調べたり分析している
のはかなり最近になってからで、そこを読むと
ビールにも少し詳しくなれると思います。暑い
日には、サッポロビール千葉工場で話を聞き
ながら飲んだきりでもいたので、ここで扱いました。
古代バビロニアのビール吸引図
ビールとは特にドイツや日本では、
大麦、ホップ、水だけを使って醸造します。
ビールのコマーシャルではホップとよく聞きま
すが、ビール以外にはあまり使われないアサ科
の植物です。ホップは苦味で味を引き締めてい
て、それを聞くと、苦いのでビールが苦手と思
う方もいるかもしれません。ツアーでは香りを
かぐことができます。
スーパーの冷蔵棚で値段やパッケージだけで選
んでいなくはないかもしれないので、分類です。
・ビール:麦芽の使用比率が2/3以上で、麦芽意外に
使用できるのはホップ、麦、米、トウモロコシ等
・発泡酒:麦芽の使用比率が50%未満、もしくは
ハーブやスパイスなどその他の原料を使っているもの
・第3のビール:麦の代わりに大豆やえんどう豆を使用
したもの、もしくは発泡酒にスピリッツを加えたもの
(これはあくまで日本国内での分類で、ハーブなどを
使っているベルギービールは発泡酒として扱われます)
また、よく聞くビールの種類ですが、
・生ビール:熱処理をしていないビール
・ラガービール:低温で熟成させたビール(生か熱処理
かは関係ない)
などです。
独特なビールの特性としては、喉の渇きを癒し、
爽快感を与え、しかもおいしく、次の一杯も新た
にごくごくおいしく飲めるなどがあります。
(ビール工場ではツアーのガイドさん付きで、
入場料だけで2杯飲めます。お姉さんとおいしい
注ぎ方を実演する分を入れると3杯です:
隣の店でジンギスカンともいただけます)
新たな一杯を飲みたくなるのは、コクとキレです。
コクは香味の強さ、広がり、ハーモニー、ボディー感
などの表現で、口に含んだ時の感じです。
キレは香味の純粋さやシャープさ、軽快感やすっきり
感表現で、飲み込んだ後の香味の持続性や消失の速さ
です。
泡立ちにも特徴があって、泡持ち、きめ細かさ、
ジョッキへの付着性、見た目の質感など、ビールに
乗ったきめ細かいクリーミーできれいな泡は、
ビールのおいしさを期待させます。
また同様にビールはすっと喉を通るなど、喉ごしが
重要視されます。清涼感や爽快感があり渇きが
癒やされます。
ビールの製造を一番くらい短く言ってみると、
大麦麦芽のもやしの状態の時には酵素があります。
麦芽のデンプンをこの自前の酵素が分解し、糖類に
します(麦汁)。ここに酵母(微生物)を加えて、
アルコール発酵(二酸化炭素とエタノールの生成)します。
ホップは麦汁をろ過し、煮沸させる時に投じられます。
この本では、ビールがひと通り分かることや良さが
かなり広い範囲で書かれていたので、好きでビール
を飲んでいるんだからいいじゃんという人に、
目を通していただくと、そういうことなんだと分か
って飲めるようになると思いました。
適量なら体には良いとしても、一杯だけと飲むと
もっと飲んでしまったり、ビール腹にならない?
のか、自転車で健康にも気遣い出かけ、(本には
悪い点があったらもっと書いて欲しかったのですが)
帰りにビール臭いというかふらついて、
おまわりさんに呼び止められないようにしましょう。
◎説明だけただ読まないでおいしく飲んでみる
ビールの美味しい注ぎ方(自宅でもできる3度注ぎ)
①グラスをなるべくテーブルに置いた状態でグラスを
立て、底面めがけて少し勢いをつけてビールを注ぎます。
適度に泡立ったら一旦注ぎを止めます。
②あまり泡立てないように、注がれた泡の蓋がグラスを
押し上げるようゆっくりと注ぎます。グラスの縁に達す
る直前で注ぐのを再度止め、泡の形成を落ち着かせます。
③グラスの縁に泡を盛り上げるように静かに注いで完成です。
泡の比率が30%程度になるように、①~③まで緩急を
うまく調整してください。