君の名は。

高校生の頃の恋愛。中々口に出して言え
ないし、未だ子供が残った暖かさもあっ
たかもしれません。

会ったことはないけれども、写真でルッ
クスを見ただけだったり、電話やライン
で話しただけで想像が先に進んでしまっ
たような、自分の中のものに入り込んで
しまうこともあります。

「君の名は。」では立花瀧と水宮三葉が
遠距離で入れ替わってしまうところに、
相手の心だけでなく、相手の家族や友達
付き合いを実体験しているし、体の部分
を触ってびっくりもしてもいるという、
不思議なのですが、ちょうど良く思える
高校生男女の付き合いの距離感が、普通
に生きてて恋愛関係に発展するのとは
また、別の要素からうまい具合に設定
されている、と思いました。

都会と田舎町の、日本の両方の風景が
高校生の頃の感じ方を通して描かれてい
るようでもありました。

君の名は。
新海誠　作
ちーこ　挿絵
角川つばさ文庫


バイトで一緒の奥寺先輩は綺麗で気の
回しかたも行き届いた憧れの女性なの
ですが、高校生的本命ではなさそうで、
入れ替わった二人の分からないけれど
淡い恋心が進行して行き、実際に会い
に行く、助けに行く行動にも移してし
まう「君の名は。」の本のストーリー
が進行します。

水宮三葉が暮らす糸守町は映画では、
岐阜県飛騨市とネットで検索してみる
と出るのですが、湖は諏訪湖に見えま
した。でももともとは、隕石が落下し
て出来た湖では無いみたいです。大昔
の歴史が再現されるティアマト彗星と
いうあたりの設定は小説です。起こ
ってしまった過去と分かり、また物語
の最初の方からも、展開として出会えるか
分からない感じがしたことは、ありました。

美しい彗星ショーと大災害に向き合お
うとして走り回ったもの。立花瀧が
大学を卒業して社会人になり、必死に
社会で頑張る現在に、自分が経験して、
自分や心情を模る、それが三葉との
経験の様に、私は受け止めてみました。