絵を見ていると、湖の湖面を見ているよう時の様です。私の個人的な感性からで、どこか解説書にそう書かれているとかではないのですが。
絵は森の木々や草の生い茂った草原で、その中を馬が走っていると思っていました。
それが私が思っていた東山魁夷。
透明感のある風景画です。
展示室を回って鑑賞しました。多くの時間、彼はヨーロッパを旅し、街並みの風景画も残しています。
彼本人がどんな人なのか、私が千葉県市川市を訪れた時のことは依然ありましたが、どちらかというと漠然としたイメージだけでした。
横浜生まれの神戸育ちです。画家になってからのアトリエは市川市にあり、実業家・中村勝五郎の支援があり、吉村順三設計で自宅を建てました。
どんな人なのか。本人が15歳の時の自画像です。17歳の中学5年生の夏、画家になることに反対だった父に、日本画ならばと許しを得、東京美術学校を受験します。
善光寺の傍にある長野県立美術館の東山魁夷館。初めて訪れたと思います。長野県内に美術館がたくさんあって、行ったところといってないところも記憶の中で混ざってしまっている感じで分からないです。
東山魁夷が大学一年生であった大正十五年の夏、旅行で麻生村(岐阜県中津川市山口)でキャンプをしようとしていた時の経験が、彼をその後も信濃路へと向かわせました。山国の自然を描くことが多くなりました。
それから、長い間の創作活動を行い、作品もたくさん残します。その作品群を相続する子供が彼にいなかったので、長野県に託すという話になり、美術館に所蔵されています。
作品群にはその他、川端康成の勧めで訪れた時の京都の街並みなど、見どころがたくさんある展示となっています。