信州をマイクロバスに揺られて

木製の風情のある新海三社神社の鳥居の脇
を通りました。マイクロバスのなので
そのまま通過してしまいました。ここから
大ケヤキと大スギが立ち並ぶ参道を登ります。

新海三社神社

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坂の上を上がった駐車場から拝殿へと上がる
石段までの道には、佐久の酒、18銘柄の樽が
2段になって納められています。この辺りの
上空は木々から抜け出ていて、晴れの日の光
が届いていました。石段を上ると拝殿が正面
に見え、その脇に神楽殿が見えます。夏越の
祓の"茅の輪くぐり神事"当日で、神社の方
が慌ただしそうに動き回られていました。

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新海三社神社には、源頼朝の社殿修理再興の
口碑、武田信玄が箕輪城攻めのために行った
戦勝祈願の願文も残されています。三重の塔
は室町時代の1515年に神宮寺の塔として建て
られ、明治時代には神社の宝庫となり廃仏
毀釈を免れて、創建当時の姿を現在も見せて
います。

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主神は興波岐命(おきはぎのみこと)で、
新開神(にいさくのかみ)とも称されます。
"佐久"の地名の由来ともいわれています。
佐久3庄36郷の惣社です。

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帰り道バスは左方向に折れ。木製鳥居の前
では泊まるスペースがなかったようです。
大木の前で一度泊まって外に出てみました。

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佐久市川村吾蔵記念館

マッカーサー元帥の銅像を制作したことでも
知られる川村吾蔵は明治17年に臼田町
(現佐久市)に生まれました。遠縁である
丸山晩霞などの影響により芸術家を志し
20歳で渡米。6年後にフランスへ渡り
エコール・デ・ボザールで学びます。
オーギュスト・ロダンからの助手の要請
を断ったという逸話も残っています。

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アメリカ人彫刻家フレデリック・マクモニス
に師事し、ニューヨーク市にモニュメント
や肖像彫刻を多数制作します。ミネソタ州の
酪農家フレッド・パブストから理想的体型の
乳牛像の制作依頼を受け、6年に渡る研究
の末、ツルータイプの乳牛模型(完全なる
乳牛模型)を造り、米牧畜業大会にて最高
の賞を得ます。この模型がアメリカ全土と
ヨーロッパにも頒布し、"牛のGOZO"と
呼ばれるようになります。この評判を聞きつけ、
ホワイトハウスからカルヴィン・クーリッジ
大統領の胸像製作の依頼を受け、また
ニューヨーク万国博覧会の日本館のレリーフ
"天女の舞"の制作を行います。

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昭和15年に帰国し世田谷区経堂町にアトリエ
を構えますが、昭和19年日米の開戦により
郷里 臼田町へ疎開。戦後昭和20年、GHQに
より出頭命令を受け、軽井沢で進駐軍の
通訳を行っていたところ、アメリカで活躍
していた彫刻家GOZOであることが知られ、
横須賀基地美術最高顧問として招聘されます。

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作品にはその他、野口英世博士銅像、
ヘレンケラーの胸像、イエス復活の奇跡図
があります。日本に2つしかない星型稜堡
の洋式城郭である龍岡城五稜郭の隣に
佐久市川村吾蔵記念館が建ち、ブロンズ像47点、
石こう38点、木彫1点、デッサンなど
素描210点や手紙や写真が公開されています。

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うすだスタードーム

佐久市天体観測施設(うすだスタードーム)
は臼田宇宙空間観測所のある"星の町うすだ"
に1996年に開館され、開館日にはは毎夜
観望会が行われます。予約不要で専門の
スタッフによる開設案内を交えながら、
メインの60cm反射望遠鏡と、惑星や二重星
の観測に優れた20cm屈折望遠鏡などから、
実際に覗きながら夜の星空を観ることが
できます。

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私たちが訪れたのは昼前の時間。ドーム
はアイリット(まぶた)型ドームと
スライディングルーフでできていますが、
私たちが到着した時は建物の外観を道路
から見て閉じた状態でした。解説が始ま
ったのは暗い空間のドームの内側でした。
そこから瞼の形、肉眼では青空と雲が
見えます。20cm屈折望遠鏡を覗く時に
屋根は90度屋根が開いた状態でした。

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私が子供だった時、ハレー彗星がやって
きました。手頃な価格の双眼鏡を買い、
明け方坂の高いところなどに行ったの
ですが、結局よく見つからなかった記憶
がありました。佐久市にある
臼田宇宙空間観測所は1986年に
ハレー彗星最接近に合せ、惑星間空間へ
の探査機投入の為に造られた経緯が
あります。空間観測となっていますが、
送信設備を持ち、"さきがけ"や"はやぶさ"
のISAS(JAXA)通信用観測所です。
うすだスタードームは公開天文台です。

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小諸ワイナリー

ぶどうの話・ワイン造りの話・ワイナリー
の概要をガイドさんのお話とプロモー
ションビデオを通じて、解説してくれます。
1962年、本物のワインづくりを
キッコーマンは始めました。ヨーロッパに
比べ雨の多い日本ですので、完熟する前に
病気になりやすい特徴があり、
マンズ・レインカット栽培法が用いられ
ています。葡萄が成熟する時期の垣根
全体に覆いをかけ、直接雨に当たらない
ようにして、また湿気が根本に貯まらない
ようにします。

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世界最高級ワインと同等の葡萄づくりから、
プレミアム日本ワインの"ソラリス"
シリーズを、マンズワインは小諸での
製造量は決して多くないそうですが、
行っています。マンズワインは勝沼
にもワイナリーを持っています。

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プロモーションビデオを見た後には、
実際にぶどう畑、醸造場、熟成庫を歩いて
見学しました。この日には日本庭園へは
脚を運ばなかったのですが、ワイナリー
の中には約三千坪の日本庭園"万酔園"
があります。全てにに酔う園という
意味で、見学&試飲の後、自由に散策
できるということです。健康で高品質な
ぶどうをゆっくりと熟成・育成する。
若いワインが樽の香りをまといながら
成長します。ワインの種類や量の多寡に
よってタンクの特性を生かし使い分け、
ワインの個性を引き出して行きます。

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取り扱っているワインや果汁は約40種で
そのほとんどを試飲できます。
ワイナリーに訪れたここだけでしか
買えないオリジナルワインもあります。
"信州りんごワイン"やポリフェノールが
多いオリジナルワイン
"ルージュ・ルージュ・ルージ"など様々
あります。少量ずつ多くのワインの色・
香・味わいを飲み比べることができます。
できるだけ多くを味わってくださいと
いうことでした。

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